松 子 会 議

アイドルは最高

海がきこえる 最高のアニメ

最高のアニメ、最高の映画
海がきこえる=私の青春


作中、高校生の杜崎拓に起きたことは、
べつに大したことではない。
(原作の方ではもっと色んなことが起きて、杜崎拓の振り回されっぷりを軸として描かれている)

しかし高校生の当人にとって、
「修学旅行が中止になって、抗議を申し付けたら呼び出された。」
「転校生の女に金を貸しておまけに東京までついてくことになって、学校で噂された。」
「その女に親友がふられた。」
は、かなりのトピックスだし
めちゃめちゃドラマチックなことだと思う。

そんな1シーンを
なんの軸もなく
ただ並べてたのが
海がきこえるという作品だ。
(強いて言えば軸は里伽子なのかも)

「主人公の杜崎拓はこんな男なんだ!」
という説明もないし
「こうあるべきだ!」
という主張もない。
「里伽子みたいなわがままな女が、懲らしめられる」教育的な話でもない。


あったのは
杜崎拓と武藤里伽子
その他高校生がいたという事実だけ。


あの日、あそこに行った
あんなこともあった
こんなこともあった
という事実だけ

終盤のシーン、
同窓会でみんなが話していたような
(話すような)
ことしか起きてない


かつて高校生だった私達にも、
誰にでもあるようなこと。
大したことはなにもない。
(よく知らない女に金貸して、高校生の男女がホテルに二人で泊まるとかなかなかねぇよ!って言ったら確かにそうなんだけど)

すごいなぁって思うのは
その大したことない事実を
40歳を過ぎたおっさん達が(それでも若手)
当事者(高校生の杜崎たち)の目線で
さも衝撃的なシーンのように熱く描くところと
「振り返ってバカバカしいわ」
「世界が狭かったよね、お互いに」
って急に冷静に大人の目線もいれちゃうところ

2つの目線があって
それが、あ、大人になりかけの高校生の目線だなって思う。

決してリアリティではないんだけど
(余分な描写を削ぎ落としていいとこ取りしているから、リアリティさはない)
大人の妄想になりすぎてないのが
すごく好きなんすよね。
(個人的に宮崎駿の作品はすべてが妄想すぎて気持ち悪いです)

そんな臭いセリフいう?!
とか
そのシーン、絵にしたかっただけだよね?
とか
の突っ込みがでなくて
本当に全部のシーンが好き。


でもさ、
「お風呂で寝る人なんだよ」
とか言われたらドキドキしちゃうじゃん
東京で里伽子探しちゃうじゃん

そういう仕掛けはぬかりなくて
ちゃんとアニメだなって思うんだよな

もう高校生ではない、
少し大人になった杜崎に
これから起きるドラマを想像してニタニタしちゃうじゃん


まじで最高のアニメです。
作画が綺麗だから、なおさら
その街を、キャラクターを好きになれるよね。